ARの実態を把握すべき3つの理由
ARの実態を把握すべき理由①
中等症以上のAR患者数は約67万人
米国の調査によるとAR罹患率(18歳以上)は、中等症以上で0.5%と報告1 されており、高齢になるほど患者数が増える傾向にあります1。
このAR罹患率を日本の45歳以上の人口² にあてはめて推計すると、中等症以上のAR患者数は約67万人と考えられます。
ARの実態を把握すべき理由②
重症になっても症状がない場合がある
ARは無症状な期間が長く、重症になっても症状がない場合があります³。また、徐々に進行するため、患者さんは症状を自覚していない可能性もあります。左室機能不全を伴う無症候性重症AR患者の1年以内の症状発現率は25%以上になります⁴。
慢性ARでは、大動脈からの逆流を左室が長期間にわたって負担することで血行動態を維持しています。慢性ARの特徴でもある無症状の期間の長さは、こういった代償によって成り立っていますが、これが破綻しはじめると、徐々に左室が拡大、心機能が低下し、患者さんは症状を自覚するようになります。
体調の変化を見逃さず、ARと診断されたら、定期的に検査を行って重症度の変化を把握することが大切です。
ARの実態を把握すべき理由③
進行の予測が難しく、紹介の遅れがリスクを上げる可能性がある
米国の調査では、症候性重症ARは、ガイドラインで手術が推奨⁵されているにも関わらず、症候性重症ARと診断されてから1年以内に大動脈弁置換術(SAVR)を受けた患者さんは4人に1人と、多くの患者さんが1年以内に手術を受けていないことが分かりました。 (In an analysis of the Optum database from 2008-2016)
また、1年以内にSAVRを受けた患者さんは、受けなかった患者さんに比べて死亡率が低かったことが報告⁶されています。