慢性重症ARの手術適応
慢性ARの手術適応は、症状の有無、左室駆出率(LVEF)、左室の大きさ、左室収縮末期経(LVESD)と左室拡張末期径(LVEDD)によって推奨度合いが変わります(下図)。
慢性ARでは重症で症状を認めた場合、積極的に手術を検討する必要があります。
症状がなくても、心機能低下や心拡大が進行している場合には、手術のタイミングが遅れないように注意が必要です。
ARを根治するための治療には、主に外科的大動脈弁置換術(SAVR)がありますが、弁形成術(SAVP)が行われる場合もあります。
弁置換術は自己の弁を人工弁に入れ替える方法で、人工弁には機械弁と生体弁の2種類があります。60歳未満では機械弁、 65歳以上では生体弁が望ましいとされ、その間の年齢ではどちらでもよいとされていますが、それぞれの長所、短所を十分に説明したうえで、最終的には患者さんの判断により決定することが推奨1 されています。