プレスリリース
優れた臨床成績を持つ「エドワーズ サピエン3」に新しいアプローチが追加、より多くの弁膜症の患者さんへ、多様な治療の選択肢が提供可能に
エドワーズライフサイエンス株式会社(東京都新宿区、代表取締役会長:ケイミン・ワング、以下エドワーズ)は、7月2日よりTAVI(経カテーテル大動脈弁治療)に使用する生体弁「エドワーズ サピエン3」(以下サピエン3)について、これまでの大腿動脈から挿入するアプローチに加えて、心尖部および大動脈から挿入するアプローチについても保険適用が認められたことを発表しました。すでに必要なトレーニングを修了した医療機関に向けて販売を開始しております。TAVIは心臓弁膜症の一つ、大動脈弁狭窄症の治療法です。
サピエン3は米国において優れた臨床成績*1が発表されており、2014年1月に欧州で、2015年6月に米国で臨床に導入されました。日本では2016年に大腿動脈からのアプローチ(経大腿アプローチ)のみで導入されました。そのため経大腿アプローチが困難な患者さんには、デリバリーシステム「アセンドラ」とともに一世代前の生体弁である「サピエンXT」を使用した経心尖アプローチがとられていました。
しかしこの度、新たなデリバリーシステムである「サーティテュード」とともに、サピエン3での経心尖アプローチ、および経大動脈アプローチが日本でも適用になったことで、多様な治療の選択肢を、より多くの患者さんへ提供可能になりました。
【サピエン3 の3つのアプローチ】
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【大動脈弁狭窄症と治療法】
心臓弁膜症のひとつで、 心臓の4つの弁のうち大動脈弁に動脈硬化と同様の変化が起きて固くなり、開きにくくなる病気です。特に高齢者に多く、日本における60歳以上の大動脈弁狭窄症の潜在患者数は約284万人、 うち重症の患者数は約56万人*2といわれています。
大動脈弁狭窄症は薬では根治しないため、手術による治療が必要です。通常は右図のような開心術により、心臓を止めて行われますが、高齢や心臓以外の疾患などの理由により、開胸手術には耐えられないと判断される患者さんは少なくとも30%*3はいると言われており、その方々には、薬で症状の進行を抑える対症療法しかありませんでした。
そこに2013年、エドワーズがTAVIを日本に初めて導入し、胸を開かず、心臓も止めずに、これまで手術できなかった患者さんの治療が可能となりました。
【大動脈弁狭窄症の症状】
大動脈弁狭窄症は進行性の疾患で、動悸やはげしい息切れ、 極度の疲れやすさや、重症になるとズーンという胸痛や失神などの症状が出ます。
一方で弁膜症の症状は、加齢による体力低下と似たところがあるため、「年をとったせいだ」と思い込み、受診と適切な治療を受ける機会を逃している患者さんが多くいると考えられています。また症状がじわりじわりとゆっくり進行するため、体が慣れてしまったり、また無意識に行動範囲を狭めて活動量を抑えてしまったりすることで、自覚症状がないと感じてしまうこともあります。
このように患者さんの生活の質を著しく低下させる大動脈弁狭窄症は、 放置すると弁だけの病気から心臓全体の病気へと広がってしまい、 結果として心不全などを引き起こすことにつながるので、適切な時期に適切な治療を受けることが重要とされています。
【サピエン3/サーティテュードの特長】
サピエン3はサピエンXTからさらに進化し、臨床現場のニーズを反映した生体弁です。
●サピエン3では、生体弁の周りのアウタースカートによって、弁周囲逆流(弁周囲からの血液の漏れ)をより効果的に低減する構造となり、患者さんの予後に影響すると言われる*4中~高程度の弁周囲逆流を低減することに成功。また、より患者さんの弁輪にフィットしやすくなり、優しい拡張が可能になりました。
●サピエン3は生体弁をより細くたためるため、デリバリーシステム(カテーテル)「サーティテュード」の低プロファイル化が実現。その結果、経心尖と経大動脈アプローチでは、これまで24Fであったシースが18Fとなりました(23/26mmサイズの生体弁の場合)。また、操作性が向上し、効果的に、正確な生体弁の留置が可能になるなど、 製品全体の進化により、サピエン3での治療において、卓越した臨床実績を達成*1しました。
エドワーズはこれからも、革新的な医療技術を通じて、患者さんの人生に変革をもたらす一助となるような製品をお届けできるよう、尽力してまいります。
経カテーテル生体弁 「サピエン3」概要
販売名:エドワーズ サピエン 3 (承認番号:22800BZX00094000
原材料:(弁尖)牛心のう膜、(フレーム)コバルトクロム合金
※専用のデリバリーシステム他とのキット単位での提供。
参考文献:
*1. Kodali S; PARTNER Trial Investigators. Clinical and echocardiographic outcomes at 30 days with the SAPIEN 3 TAVR System in inoperable, high-risk and intermediate-risk AS patients. Paper presented at American College of Cardiology 2015: 64th Annual Scientific Session & Expo (ACC); 2015 March 14-16; San Diego. PARTNER II試験(N=491)において、 米国における、 エドワーズ サピエン3生体弁の臨床試験データは、 術後30日の全死亡率1.6%、 重症脳卒中発生率0.8%、 中程度以上の弁周囲逆流発生率2.5%であった。
*2. De Sciscio P, et al. Quantifying the shift toward transcatheter aortic valve replacement in low-risk patients. Circ Cardiovasc Qual Outcomes. 2017;10:e003287.
*3. Pellikka PA, et al. Outcome of 622 adults with asymptomatic, hemodynamically significant aortic stenosis during prolonged follow-up. Circulation. 2005; 111:3290-5.
*4. Hayashida K et al. Impact of post-procedural aortic regurgitation on mortality after transcatheter aortic valve implantation. JACC Cardiovasc Interv. 2012; 5:1247-56.
エドワーズライフサイエンスについて ( https://www.edwards.com/jp/ )
カリフォルニア州アーバインに拠点を置くエドワーズライフサイエンスは、構造的心疾患とクリティカルケアモニタリングに関する患者さんのためのイノベーションをリードする企業です。臨床医と共に医療のアンメットニーズを充たし、患者さんの健康に貢献することを目指しています。
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