プレスリリース
エドワーズライフサイエンス、医療機器で初めて、慢性透析患者さんの重度大動脈弁狭窄治療に関する拡大治験を実施
エドワーズライフサイエンス株式会社(東京都新宿区、代表取締役会長:ケイミン・ワング、以下エドワーズ)はこのほど、2016年に導入された人道的見地から実施される治験(以下、拡大治験)制度に基づき、同拡大治験を開始しました。なお、医療機器としては初めての拡大治験です。
拡大治験は、人道的見地から治療へのアクセスを確保する目的で行われる治療です。一部の効果等が承認されていない医療機器等で、承認申請をするための治験(以下、主たる治験)が実施されているものの、その患者組入れ基準から外れたり、また組入れが終了しているなどの理由で治療にアクセスできず、承認までの期間を待つことが出来ない患者さん等に適用されます。※1
※1 医薬品医療機器総合機構「人道的見地から実施される治験について」 https://www.pmda.go.jp/review-services/trials/0016.html アクセス日3月19日
このほどエドワーズが開始した拡大治験は、慢性透析患者さんで、症候性※2の重度大動脈弁狭窄症を有し、且つ外科的な手術での治療が受けられない方を対象とした、経カテーテル大動脈弁治療に関する臨床試験です。主たる治験は2016年9月に開始、現在はすでに患者さんの登録を完了しており、本拡大治験の患者さん登録は、これに続いて行われます。
※2 症候性:症状が見受けられること
経カテーテル大動脈弁治療は2013年、エドワーズが日本に初めて導入して以降、重度大動脈弁狭窄症で、且つ外科手術を受けることが困難なために根治療法がなかった患者さんにとって、新しい治療の選択肢として数多くの治療に役立てられてきました。
ただし2018年3月現在、慢性透析患者さんは、経カテーテル大動脈弁治療の適応対象外です。
日本における慢性透析患者数は約33万人で、人工透析を受けながら適切な自己管理を行い、日常生活を営む方は多くいらっしゃいます。一方でその6割は65歳以上※3とされていることから、高齢の方に比較的多く見られる大動脈弁狭窄症を患う慢性透析患者さんは多くいらっしゃると考えられます。また慢性透析患者さんにとって、心臓を一度止めて人工心肺を使用する外科手術はリスクが高くなる傾向があると言われており※4、心臓を止めずに行える経カテーテル大動脈弁治療が選択肢としてあることは、患者さんにとって大きなメリットとなります。
※3 日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現状」http://docs.jsdt.or.jp/overview/ アクセス日2018年3月19日
※4 弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン(2012年改訂版) p46. http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_ookita_h.pdf アクセス日2018年3月19日
このように、重度の大動脈弁狭窄症を治療することで、再びすこやかな日常生活を取り戻せる可能性のある慢性透析患者さんを対象とした経カテーテル大動脈弁治療のニーズは高いことから、主たる治験の実施以前には、先進医療B※5の枠組みで本治療へのアクセスが確保されていました。しかし主たる治験の開始とともに、先進医療Bの対象技術からは外れました。
これらの状況から、臨床現場の先生方より慢性透析患者さんの本治療への早期アクセスに関するご要望を受け、このほど拡大治験を実施する運びとなりました。
※5 厚生労働省 先進医療の概要について http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/sensiniryo/index.html アクセス日2018年3月19日
エドワーズ代表取締役会長で、米国本社コーポレートバイスプレジデント 日本・アジアパシフィック担当のケイミン・ワングは「エドワーズの使命は、循環器疾患と戦う人々へ、革新的な治療手段を提供することに全力を尽くすことです。今回、拡大治験の制度を通じて、本治療を必要とされている患者さんに引き続き治療アクセスの可能性をお届けできること、また同時に、慢性透析患者さんを対象とした本治療法が安全に承認されるべく取り組めることは、私たちにとって非常に意義のあることです。」と話しています。
エドワーズはこれからも医療従事者と共に、革新的な医療技術をお届けすることで、患者さんがすこやかな日常生活を取り戻せる一助となれるよう、尽力して参ります。
※患者さんに対して弊社より直接、治療に関する情報のご提供は出来かねます。必ずご自身の主治医にご相談下さいますよう、お願い申し上げます。
※慢性透析患者さんに対する本治療は2018年3月現在未承認であり、本拡大治験の対象患者さんであっても、治療によるリスクと期待されるベネフィットが考慮された結果、治療が実施できないこともあります。
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