プレスリリース

パリ、2023年5月17日 - エドワーズライフサイエンス（NYSE：EW）は、欧州におけるベンチマークレジストリの新しいデータにより、バルーン拡張型人工弁による経カテーテル大動脈弁置換術（TAVI）を受ける患者さんに対する、合理的な治療手順の安全性と有効性を示したと発表しました。このデータは、EuroPCR 2023の後期臨床データセッションで発表されました。

本試験では、欧州7カ国の28施設でバルーン拡張型人工弁によるTAVIを受けた患者2,405人を観察し、一連のカスタマイズされたベンチマークプラクティスを導入することで、患者さんにとっての安全性を保ちつつ入院期間（LOS）、集中治療室（ICU）ベッドの稼働率、患者・医療従事者の満足度を改善できるかどうかを確認しました。TAVIを受けた患者さんは、ベンチマークプラクティス導入前の患者さんと同様の30日間の臨床アウトカムを維持しながら、ICU滞在を25%短縮し、病院のLOS中央値を33%減少させた。研究者らは、このプラクティスを広く導入することで、安全性を損なうことなくTAVIをより効率的に実施することができると結論付けました。

 30日後の安全性を損なうことなく、ICU滞在期間と入院期間が大幅に短縮されただけでなく、ベンチマークのすべての要素に対する患者さんの満足度も高く、手術後の満足度調査で90%以上のスコアを獲得しています。

ドイツ・キールにあるシュレスヴィヒ・ホルシュタイン大学病院の循環器科部長であるDerk Frank医師は以下のように述べています。「本試験は、欧州全域でTAVIを受ける患者さんの治療パスのばらつきを低減する重要なツールとして、エドワーズベンチマークプログラムを検証するものです。我々の結果は、患者さんの安全性を損なうことなく、効率が大幅に改善されたことを示しています。」

エドワーズベンチマークプログラムは、意識下鎮静、ICU外での回復、翌日退院を目標としたTAVIへの最小限のアプローチを標準化し、患者さんのアウトカムを維持しながらTAVIの低侵襲性という本来の利点を引き出すものです。PARTNER 3試験の研究者による経済分析では、TAVIは低リスク患者における外科的大動脈弁置換術（SAVR）に対して「経済的に優位」な戦略であるとされ、TAVI手技の継続的進化によって、より効率的になる可能性を認識しました¹。さらなる研究では、（SAPIEN 3による中等度リスク患者に対する標準的なTAVIと比べて）最適化されたTAVIのパスでは入院中に1件あたり11,000米ドルのコスト削減につながる可能性を示していました²。

エドワーズライフサイエンス社の経カテーテル大動脈弁部門およびサージカル部門担当コーポレートバイスプレジデント兼グループプレジデントのLarry Woodは次のように述べています。「ベンチマークレジストリは、TAVIが命を救うだけでなく、患者さんのQOLを改善し医療システムのコストを削減するトリプルウィンであると示すエビデンスのひとつに加わりました。これらのデータによって、ベンチマークプログラムが安全性を損なうことなくTAVI施設における効率化に貢献するという確信をインプランターにもっていただけるはずです。」

ベンチマークプラクティスは、コミュニケーション、患者さんやスタッフの教育、意思決定、臨床手順などをカバーしています。現在、米国、欧州、オーストラリア、カナダ、韓国、ニュージーランドの320以上の施設で活用されています。詳細については、www.heartvalves.com/gbにて公開しております。

¹ Galper BZ, Chinnakondepalli KM, Wang K, et al. Economic Outcomes of Transcatheter Versus Surgical Aortic Valve Replacement in Patients with Severe Aortic Stenosis and Low Surgical Risk: Results from the PARTNER 3 Trial. Circulation. 2023; Epub ahead of print. 

² Butala NM, Wood DA, Li H, et al. Economics of Minimalist Transcatheter Aortic Valve Replacement: Results From the 3M-TAVR Economic Study. Circulation: Cardiovascular Interventions. 2022 Oct;15(10):e012168.