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プレスリリース

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エドワーズ、外科用生体弁の製品ラインナップを拡充、低侵襲弁膜症手術や複合手術を、より容易に行える「EDWARDS INTUITY Eliteバルブシステム」新発売

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心臓弁膜症*1や血行動態モニタリングを中心とした医療技術を提供するメーカーの日本法人、エドワーズライフサイエンス株式会社(東京都新宿区、代表取締役会長:ケイミン・ワング、以下エドワーズ)は、2019年1月より大動脈弁治療用の人工弁「EDWARDS INTUITY Eliteバルブシステム」(エドワーズ インテュイティ エリート バルブシステム、以下INTUITY Elite)の販売を、必要なトレーニングを受け、厚生労働省の定める施設基準を満たす医療機関に向けて発売しました。

INTUITY Eliteは、これまでにない新しい外科用人工弁(生体弁)です。2013年にエドワーズが初めて日本に導入した経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)*2用生体弁のイノベーションと、エドワーズが長年培ってきた外科用生体弁の技術とのハイブリッドです。INTUITY Eliteによって、低侵襲で行う弁膜症手術や複合手術が、より効率的に実施可能となることが期待されています。

INTUITY Elite Main (1)


EDWARDS INTUITY Eliteバルブシステム

INTUITY Elite Main (2)

EDWARDS INTUITY Eliteバルブシステム


● ニーズが広がる低侵襲・小切開での弁膜症治療、増える複合手術

弁膜症の手術は多くの場合、胸部中央の皮膚を縦に15cm~25cmほど切開し、胸骨を左右に分割する「胸骨正中切開」で行われます。しかし近年、より小さな切開や、胸腔鏡を使用した「低侵襲*3心臓手術(MICS*4)」が広がってきています。MICSは、傷口が小さいため手術後の患者さんの回復が早く、傷跡も小さく目立ちにくく、痛みも少ないなど、患者さんにとって手術後の生活の質(QOL)がさらに向上することが利点です。一方で医師にとっては、MICSは通常の開胸手術よりも限られた視野と狭いスペースで手術を行うため手術の難易度が高く、胸骨正中切開による開胸手術に比べて患者さんの心臓を止める時間が長くなるという課題があります*5

また、大動脈弁置換術を受ける患者さんは大動脈弁以外の疾患を併発していることも多く、約4割*6の患者さんには冠動脈や他の弁も同時に手術する複合手術が行われています。複合手術は必然的に心臓を止める時間が長くなるため、手術時間を短縮することが求められています。


INTUITY Elite (1)

胸骨正中切開。安定した実績のある一般的な手術法で、医師は広い視野とスペースで手術を行うことができる

INTUITY Elite (2)

MICS。胸骨を切らないため傷口は小さく、術後の回復が早い傾向があるが、術者は狭い視野とスペースでの手術が必要


● わずか3本の糸とバルーンによる拡張で生体弁を留置し、手術時間の短縮に貢献

一般的に、心臓を止める時間が長いほど死亡率や術後の合併症発生率は上がる傾向があります*7
従来の人工弁は、12本~15本の糸を1本ずつ結んで固定します。この複雑な固定法が、狭い傷口から手術を行うMICSの難易度が上がる要因のひとつでした。一方、新製品のINTUITY Eliteは、わずか3本の糸と、バルーンで拡張したフレームによって圧着固定し、留置するため、手術時間を短縮することができます。弁留置の手順を簡素化することで、よりMICSや複合手術に適した特徴を持つ、手術時間短縮に貢献する人工弁となっています。

INTUITY Elite (3)

従来の人工弁は留置に12~15本の糸が必要

INTUITY Elite (4)

INTUITY Eliteはバルーンでの圧着固定を取り入れることで、必要な糸の数を3本に抑えた

CamBend

長さと柔軟性のあるシャフトで小切開からのアクセスも容易に

CamBend (2)


長さと柔軟性のあるシャフトで小切開からのアクセスも容易に


また、日本のとくにご高齢の患者さんには大動脈弁が小さい方がおり、その場合は留置できる人工弁のサイズも小さくなり、手術後に十分な血流が得られないことがあります。しかしINTUITY Eliteは拡張フレームで人工弁の下部を押し広げるというユニークなデザインにより、血液の流れが従来品に比べてより改善されます。

INTUITY Elite発売にあたり、当社代表取締役会長のケイミン・ワングは次のように述べています。
「心臓弁膜症は、年を取れば誰もが罹りうる疾患で、治療件数も増加傾向にあります。その心臓弁膜症治療に必要な人工心臓弁を、世界で初めて製品化した企業として、エドワーズは今日まで60年にわたり心臓弁膜症治療技術を世界的にリードし続けています。
近年、手術は病気を治すことに加えて、治療後の患者さんの生活の質をいかに高められるか、という点が重要視されています。その一環として、より低侵襲の治療法が求められる傾向が広がっており、それは心臓弁膜症治療においても同様です。
このたびの新しい生体弁が持つ特徴によって、低侵襲の弁膜症手術がよりシンプルに、より速やかに行えるようになることは、患者さんの術後のQOLをより高めることにつながると信じています。私たちはこれからも、革新的な医療技術を通じて医療従事者を支え、患者さんが健やかな日常生活を取り戻す一助となることを使命とし、取り組みを続けてまいります。」


*1:心臓弁膜症とは:心臓の中にある弁に障害が起き、本来の役割を果たせなくなった状態。弁の開きが悪くなり血流が妨げられる「狭窄」と、弁の閉じ方が不完全となり血液が逆の方向に流れる「逆流」があります。弁膜症は自然に治癒することはなく、また薬で治すこともできないため、進行すると外科治療が行われます。心臓弁膜症の中でも、加齢により大動脈弁に動脈硬化と同様の変化が起きて固くなり、開きにくくなる、大動脈弁狭窄症が多く見られます。弁膜症は進行性の疾患で、動悸やはげしい息切れ、極度の疲れやすさ、重症になるとズーンという胸痛や失神などの症状が出ます。弁膜症の症状は、加齢による体力低下と似たところがあるため、「年を取ったせいだ」と思い込み、受診と適切な治療を受ける機会を逃している患者さんが多くいると考えられています。
患者さんの生活の質を著しく低下させる心臓弁膜症は、放置すると弁だけの病気から心臓全体の病気へと広がってしまい、結果として心不全などを引き起こすことにつながるので、適切な時期に適切な治療を受けることが重要とされています。
参考:心臓弁膜症サイト(http://www.benmakusho.jp/

*2:TAVI(タビ)とは:Transcatheter Aortic Valve Implantationの略称。開胸手術をすることなく、カテーテルで患者さんの血管を通じて生体弁を心臓の中まで運び、留置する治療法。現在は開胸手術が困難な患者さんに適応されます。

*3:低侵襲とは:手術や検査などのために患者さんに傷をつける度合いが小さいこと。

*4:MICS(ミックス)とは:Minimary Invasive Cardiac Surgeryの略称。心臓手術の際に、より低侵襲な方法で行う手術を指します。

*5:患者さんの心臓を止める時間について:外科的な心臓手術の際には、患者さんの大動脈を遮断して心臓を一時的に止め、人工心肺装置と呼ばれる装置で心臓と肺の機能を代替し、その間に心臓または大血管を切開して治療します。患者さんの心臓を止めている時間が長くなると、術後の合併症発生率や死亡率が高くなることが報告されています。
参考:Al-Sarraf N, Thalib L, Hughes A, et al. Cross-clamp time is an independent predictor of mortality and morbidity in low- and high-risk cardiac patients. Int J Surg. 2011;9:104-9.

*6: Committee for Scientific Affairs, et al. The Japanese Association for Thoracic Surgery. Thoracic and cardiovascular surgery in Japan during 2014 Annual report by The Japanese Association for Thoracic Surgery. Gen Thorac Cardiovasc Surg. 2016 Nov;64(11):665-697.より算出。

*7: Iino K, Miyata H, Watanabe G, et al. Prolonged Cross-Clamping During Aortic Valve Replacement Is an Independent Predictor of Postoperative Morbidity and Mortality: Analysis of the Japan Cardiovascular Surgery Database. Ann Thorac Surg 2017;103:602–9.

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メディア向け連絡先

Amy Hytowitz
(VP, Global Communications)

日本法人 広報部
03-6895-0301 (大代表)