プレスリリース
エドワーズライフサイエンス、経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)用の生体弁、サピエン3がグッドデザイン賞を受賞!
心臓弁膜症*1や血行動態モニタリングを中心とした医療技術を提供するメーカーの日本法人、エドワーズライフサイエンス株式会社(東京都新宿区、代表取締役会長:ケイミン・ワング、以下エドワーズ)は、このほど当社の経カテーテル大動脈弁治療(以下TAVI=タビ*2)用の生体弁「エドワーズ サピエン3」が2019年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞したことを発表します。
エドワーズは1960年に世界で初めて人工心臓弁を製品化して以来、革新的な医療技術の提供を通じて、心臓弁膜症治療分野を世界的にリードし続けています。このたび受賞したエドワーズ サピエン3が使用されるTAVIは、重症の大動脈弁狭窄症の患者さんにとって新たな選択肢となった画期的な治療法で、日本には2013年にエドワーズが初めて導入しました。なおサピエンシリーズは、世界初のTAVI用牛心のう膜*3生体弁として2007年にヨーロッパでCEマークを取得して以来、改良を重ねながら、これまで世界中の何十万人もの患者さんの治療を支えてきています。
エドワーズはこれからも、より低侵襲*4で患者さんにやさしい治療を実現する製品や、治療後の患者さんの生活の質がより向上するような製品の開発と提供を続け、患者さんが健やかな日常生活を取り戻す一助となることを目指してまいります。
グッドデザイン賞を受賞したエドワーズサピエン3
■グッドデザイン賞 受賞製品概要
製品名称:
エドワーズ サピエン3(人工心臓弁(生体弁)及び手術機器一式)*5
製品について:
エドワーズ サピエン3は重症の大動脈弁狭窄症の治療、TAVIに使用される生体弁です。大動脈弁狭窄症は心臓弁膜症のひとつで、心臓の大動脈弁に障害が起き、本来の機能を果たせなくなる病気です。治療せずに放置することで心不全へと繋がる恐れがあり、患者さんの生活の質に著しい影響を与えます。
根治には、従来は主に手術で開胸して心臓を止め、悪くなった弁を人工弁に取り換える治療が行われてきましたが、すべての患者さんには適していませんでいた。それがTAVIの登場によって、より多くの患者さんへの治療が可能になり、エドワーズは2013年にTAVI用生体弁を日本に初めて導入しました。その後2016年に、さらなる改良を加えたTAVI用生体弁として、エドワーズ サピエン3を導入しました。
デザインのポイント:
●アウタースカート:
従来のTAVI用生体弁では、TAVIの術後合併症のひとつ「弁周囲逆流」が発生するケースがあり、それが課題でした。そのため次世代のエドワーズ サピエン3ではアウタースカートを生体弁の下部に装着し、その合併症発生率の低減を目指しました。
●低プロファイル化:
従来製品に比べてアウタースカートが追加されているにもかかわらず、生体弁を折りたたんだ状態では従来品よりも細くなるよう、エドワーズ サピエン3ではステントフレームの構造に工夫を施しました。これによって、従来品では治療ができなかった、血管がより細い患者さんの治療にも対応できるようになりました。
●カテーテルの操作性向上:
折りたたんだ生体弁を装着して患者さんの弁の位置まで運ぶカテーテルについて、患者さんの大動脈の形状に合わせてより柔軟に屈曲できるようにするなど、操作性を改善しました。これによってより安全に生体弁を患者さんの弁の位置まで進めたり、より正確な生体弁の留置ができるようになることを目指しました。
■グッドデザイン賞とは(http://www.g-mark.org/)
1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。
*1:心臓弁膜症とは:心臓の中にある弁に障害が起き、本来の役割を果たせなくなった状態。弁の開きが悪くなり血流が妨げられる「狭窄」と、弁の閉じ方が不完全となり血液が逆の方向に流れる「逆流」があります。弁膜症は自然に治癒することはなく、また薬で治すこともできないため、進行すると介入治療が行われます。心臓弁膜症の中でも、加齢により大動脈弁に動脈硬化と同様の変化が起きて固くなり、開きにくくなる、大動脈弁狭窄症が多く見られます。弁膜症は進行性の疾患で、動悸やはげしい息切れ、極度の疲れやすさ、重症になるとズーンという胸痛や失神などの症状が出ます。弁膜症の症状は、加齢による体力低下と似たところがあるため、「年を取ったせいだ」と思い込み、受診と適切な治療を受ける機会を逃している患者さんが多くいると考えられています。
患者さんの生活の質を著しく低下させる心臓弁膜症は、放置すると弁だけの病気から心臓全体の病気へと広がってしまい、結果として心不全などを引き起こすことにつながるので、適切な時期に適切な治療を受けることが重要とされています。
参考:心臓弁膜症サイト(https://www.benmakusho.jp/)
*2:TAVI(タビ)とは:Transcatheter Aortic Valve Implantationの略称。開胸手術をすることなく、カテーテルで患者さんの血管を通じて生体弁を心臓の中まで運び、留置する治療法。
*3:牛心のう膜とは:心臓を包む膜のこと。
*4:低侵襲とは:手術や検査などのために患者さんに傷をつける度合いが小さいこと。
*5:販売名:エドワーズサピエン3 (承認番号:22800BZX00094000)
エドワーズライフサイエンスについて(https://www.edwards.com/jp/)
カリフォルニア州アーバインに拠点を置くエドワーズライフサイエンスは、構造的心疾患とクリティカルケアモニタリングに関する患者さんのためのイノベーションをリードする企業です。臨床医と共に医療のアンメットニーズ(まだ充たされていないニーズ)を充たし、患者さんの健康に貢献することを目指しています。
正常な大動脈弁 | 狭窄した大動脈弁 |
カテーテルでエドワーズ サピエン3を心臓弁まで運んでいるイラスト
エドワーズ サピエン3と手術機器一式
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(VP, Global Communications)
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